相談事例

鹿児島の方より相続についてのご相談

2020年02月07日

Q:葬儀費用を貯金しています。相続開始後、口座が凍結されると聞きました。(鹿児島)

夫婦で鹿児島に暮らす60代の男性です。子供と孫が鹿児島市内におります。数年前にテレビで終活の特集があり、妻や子供のために、葬儀など金銭面での負担を極力避けたいと葬儀費用のための貯金をしております。鹿児島市内の金融機関で葬儀費用のためだけの口座を開設し、貯金も貯まってきています。しかし最近、 口座の名義人が亡くなった後、口座は凍結されると聞きました。葬儀費用として貯金しているのに凍結されて引き出せないようなら妻や子に負担がかかってしまいます。生活を切り詰めて貯金しています。何かよい方法はありませんか?(鹿児島)

A:法律の改正により、相続人は一定額まで単独で払戻しができるようになりました。

ご相談者様のご懸念通り、金融機関は名義人が亡くなったことを知ると故人の預金の不正使用の防止のため、口座を凍結します。また金融機関としても、相続人同士の争いに巻き込まれないように、お金を引き出せないよう口座を凍結するのです。生前は仲の良かった相続人同士でも、遺産分割の際にトラブルになる例は少なくありません。こういった相続人間の「争続」回避のため、口座の名義人が亡くなったら、早急に金融機関へ連絡をしましょう。また、役所へ死亡届を提出しただけでは名義人の口座が凍結される事はありません。相続人等が金融機関に対し、口座の名義人の死亡を知らせることで、原則、その口座は凍結されます。

しかし、法律の改正により、各共同相続人は他の相続人の同意がなくても一定額までの預貯金債権を単独で払戻しできるようになりました(2019年7月1日施行)。この制度が創設されるまではご相談者様が懸念されていたように、近年遺産分割の終了まで、相続人単独での預貯金債権の払戻しは出来ず、葬儀費用の支払いなど早急に資金が必要であったとしても、故人の預貯金を引き出すことは出来ませんでした。とは言え、凍結した口座からすべての預金を引き出すためには、以前同様、口座解約の手続きをしなければなりません。

 

【遺言書がない場合の口座解約手続きに必要な書類】

  • 被相続人の改製原戸籍、出生~死亡までの戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)
  • 相続人全員の戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)
  • 遺産分割協議書(ない場合は銀行所定の手続き用紙に、相続人全員の署名、押印が必要)
  • 相続人全員の印鑑登録証明書
  • 預金通帳、キャッシュカード(※詳しくは各金融機関へお問い合わせ下さい。)

 

上記の書類一式を用意し、銀行所定の手続き用紙に記入のうえ金融機関へ提出しますが、手続き完了には多少の時間を要します。口座の解約手続きに関しては、口座の名義人の相続人全員が了承をしている旨の証明ができる書面が必要です。ただし、遺言書があれば遺産分割協議は不要になります。早急に相続人や受遺者に財産を渡したいようであれば、公正証書遺言を作成することをお勧めします。

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